2019年の観光ビザ解禁。あのニュースを見てからずっと、僕の心はまだ見ぬ砂漠の国にありました。 パンデミックという長い足止めを経て、ようやく降り立ったサウジアラビア。

イランと米国との緊張感から、首都リヤドは外務省の危険レベルが「3」に。不安がゼロだったと言えば嘘になりますが、だからこそ僕は、紅海に面した古都・ジェッダへと舵を切りました。そこには、ガイドブックの文字からは想像もできない、熱くて、混沌としていて、それでいて近代的な時間が流れていました。

命がけの「10分」?ジェッダの洗礼
ジェッダの町を一言で言うなら、「止まらない巨大な生き物」です。 VISION2030という国家プロジェクトの真っ最中。あちこちでクレーンが動き、世界一を目指すジェッダタワーが空に向かって伸びている。その熱気に圧倒されます。
でも、歩こうとすると現実に引き戻されるんです。 地図アプリで「徒歩10分」。日本なら散歩気分ですが、ここは違いました。
「暑い。あぶない。渡れない。」
片道6車線もある大通りには、歩行者用信号なんてほぼありません。灼熱の日光から守ってくれるのは、冷房の効いた車という名のシェルターだけ。配車アプリを呼べば、スマホ片手の荒っぽい運転にヒヤヒヤしつつ、目的地はすぐそこなのにUターンの繰り返しでなかなか着かない。 「あぁ、ここは人間が歩くことを想定していないんだな」と、車社会の洗礼を全身で浴びました。
1,000円をケチってはいけない理由
初日は「安くて良いホテルを」と、空港近くのジム・プール付きの宿(7,000円)を選びました。でも、ちょっと水を買いに行くにも、どこかへ観光に行くにも、毎回Uberを呼ばなきゃいけない。 1回の移動に最低20リアル(約800円)。往復すれば2,000円近く飛んでいきます。
「これなら、多少高くても“歩ける場所”に泊まったほうが、よっぽど豊かじゃないか!」

身をもって学んだ僕が、もし次に行くなら絶対に選ぶ「街の体温を感じるエリア」を2つ紹介します。
僕がおすすめする2つの宿泊エリア
- 旧市街・アルバラド地区(Al-Balad) ここは別世界。迷路のような路地、歴史を感じる古い建物、そこから続く活気あふれる商店街。ここだけは「歩くこと」が許されている場所でした。予約サイトで予約できる宿は限定的ですが、あの賑わいの中に身を置く体験は何物にも代えがたいです。
- アス・サラーマ地区(As Salamah) 帰国前に滞在したこのエリアは、インドやインドネシアなどアジアからの移住者が多く、多国籍な熱気に満ちていました。大通り沿いにスーパーやレストランがひしめき、夜遅くまで歩いて楽しめる「生活の匂い」がする街。 Agodaで予約したサービスアパートメントは、一人では持て余すほど広くて、旅の締めくくりに最高の贅沢でした。(そして2人連れ込みました!)
もちろん、マリオットやヒルトンなど高級ホテルステイを楽しみたいかたは、コーニッシュ沿いに宿泊されるのがよいと思います!どこかにでかけるのは不便ですが、高層階から紅海に沈む夕日を眺められたら最高だなと思います。

上記はGoogle Mapをスクショして編集しています。
終わりに
サウジアラビアは今、猛烈なスピードで変わり続けています。もはや途上国ではない。 不便さも、運転の荒さも、あの灼熱の空気も。行ってみなければわからなかった「不自由な楽しさ」が、そこにはありました。
これから旅に出るみなさん。 どうか、地図上の「徒歩10分」を信じないでください(笑)。 その代わりに、車窓から見える激動の街並みと、ふと見つけた路地裏の賑わいを楽しんでほしい。
サウジアラビアの旅は、きっとあなたの常識を心地よく壊してくれるはずです。

外務省の海外安全ホームページはこちらから




